SHIPS 銀座店 <MEN>

2014 22 Jun

『LOVE&PEACE』

 

こんにちは、シップス銀座店の栗田です。

 

「もっともっと馬鹿に

ならなくてはいけないなぁ~」

 


 

シップスの社員になってすぐの頃、

飲みすぎて家に帰るのが面倒になり

後輩の土屋くんの実家に

泊めてもらうことになった。

 

すると玄関にでっかいオールデンが置いてある

(とにかく大きかった記憶があるなぁ、

サイズはUS11くらいあったのかな。)

鈍く光ったコードバンはまるで黒船のようだ。

その靴の持ち主は田中さんだった。

 

土屋くんのお父さんと田中さんは

大の親友でもあり、音楽仲間(馬鹿)でもある。

その日は、土屋くん家に遊びに来ていたのだ。

ご挨拶だけ…と思ったら、

まぁ座れよとなった。

 


 

会社の偉い人が目の前にいる。

なんたって、ついこの前の入社試験の面接官だぞ。

質問にまともに返せず冷や汗をかいたばかりだ。

かくして真夜中の追試面接が始まった。

 

シップスの一員になったばっかりだったし

酔っ払っていたせいもあって、

(こういうのは後が怖い…)

シップスでのボクの夢や未来のことなんかを

けっこうウザくお話させて頂いた。

 


 

「これ頂いてもいいですか?」

 

テーブルに置かれていた音楽雑誌に

貼られたこの付せんは田中さんが書いたものだ。

 

「好きなものに夢中になってるヤツが

一番カッコいいんだよ。」

そういって田中さんは笑った。

 

この付せんをボクは財布の中に入れて

小さくまとまってしまいそうな時は

必ず自分に言い聞かせている。

 

あれからたくさんの月日が流れた。

 

シップスの入社式で新入社員に

この言葉と共に贈られるバンダナがある。

 

「ボクは特別な思いでこのバンダナを作りました。

ボクらは田中さんの考え方や信念を尊敬しています。

それを今でも大切にしていて常にボクの中にあります。

そしてそれを皆さんに受け継いでいくことが

我々の使命でもあるのです。」

 


 

弁当箱の包みに使っている新入社員を見て

これも新しい継承の仕方なのかなと思ったら

なんだかとても微笑ましい。

 


 

6月の梅雨の晴れ間、

文京区白山にある龍雲院を訪れた。

 

「馬鹿になれているでしょうか?」

田中さんの墓前で手を合わせる。

 

「もっともっとだよ。」

そう聞こえたような気がした…。

 

 

また次の日曜日にお会いしましょう。

with a sunny smile!