SHIPS なんばパークス店
2020
06
Apr
ショップスタイルの徒然日記 〜わたしのメイドインUSA物語〜
なんばパークス店の今井です。
少し長め文章になりましたことをお許し下さい。
先日のことですが、
シップスのオリジナルドレスシャツをお求めいただいた顧客さまから
袖口から糸が出ているとのお申し出があり、
交換させていただきました。
縫製後のあと処理の不備でして、
わざわざご足労いただきましたので
申し訳なく思いました。
まだ着用前の新品だとやはり気になると思います。
ひょっとしたらここから解れてくるのではないか。
切ってしまえば問題が無かったとしても、
お客様は縫製のプロではないので当然判断しかねると思うんですね。
顧客さまも細かいことでと、恐縮されておりましたが
問題ない商品をお渡し出来、気持ち良くお召しいただくことが出来ました。
で、話は変わりまして、
シップスメイドインUSAのシャツの話を。
まず自分の話で恐縮ですが、遡りまして、
この会社に入社したころ、27年ほど前ですね。
アメリカよりもヨーロッパの服が好きでして、
今思えばシップスに入っておきながら
アメリカ製の服に興味がないという、、、
とんでもないスタッフでした。
「アメリカの服ってオシャレちゃうやん、普通の服やん。」
きっとそんな感覚だったと記憶しています。
でもこの会社で働くようになり、アメリカの製品に触れ
アメリカの服の話を先輩から教えてもらい、
アメリカものにもデザイナーものがあったりと、
少しずつ興味を持っていきました。
でもそこでひとつ障害がありました。
サイズの問題です。
当時のシップスのバイヤーは身体が大きい人だったんで
小さいサイズをいれてくれてませんでした。
今では考えられない、これほんまの話(笑)
なのでチビでガリガリの僕には似合わない。
そもそもアメリカ人が大きいんだから仕方ない。
そのころはまだ今ほど別注でサイズを修正して、とか
日本企画みたいなものが少なく、アメリカからそのまま仕入れたものが
多く店頭に並んでいました。
そうです、リアルなアメリカの製品が多かったですね。
でもそこに本物に触れられる楽しみはありました。
ただ、とても気になったことがありました。
アメリカの製品は縫製が粗い。
微妙に左右違っていたり、歪んでいたり、
同じ商品でも一点一点サイズがバラバラだったりは当たり前。
もちろん糸なんてぴょんぴょん飛び出たまま。
先輩に聞いたんですよ、なんでアメリカ製ってこんな感じなんですか?
って。
『アメリカ人って大雑把なんだよ。
とにかくアメリカ人が求めるのは丈夫さ。
そしてアメリカ人は合理主義。
だってさ、洗濯して乾かすのは何でもかんでも
大きな乾燥機にブチ込んで
ガンガン回すんだよ。
扱いも荒いからね。
だからこそ丈夫に作られてる。
アメリカ製のシャツのボタンはまず貝ボタンなんて絶対使ってないでしょ。
貝ボタンだったらすぐに割れちゃうじゃない。
考え方が合理主義だからさ、
そんな丁寧な縫製するぐらいならその分、安くしてくれよ。
っていう発想。
アメリカって、そういう文化だからさ。』

て、話を先輩から聞いて、
はあああ、、、
なるほど、、、、と。

そういうの、色々ひっくるめて
「味」っていう言葉で僕たちは表現することがあります。
『これがアメリカ製の味だから。』
この味って、やっぱり日本製には出せないんですよね。
ってか、真似のしようがない。
文化が違うから。
逆に日本の製品ってとても綺麗ですよね。
100個あったら100個同じ品質。
それはやはり日本人がとても几帳面な性格だから。

いかにしてこの『味』の良さを日本の皆さまに伝えることができるのか。
ー文化もひっくるめて服を着ていただくー
ここが販売員として腕の見せ所なんでしょうね。

もし、これをお読みになり、
アメリカ製のシャツを着てみたいなと思われましたら、
こちら、アメリカで作ったシップスオリジナルのボタンダウンシャツをおすすめします。
工場はアイクベーハーというところで作っています。

品番111-13-5611 ¥17,200 (+TAX)
あなたもこのシャツでアメリカの空気を感じてみませんか。
ではまた。
なんばパークス店 今井
