SHIPS なんばパークス店
2021
11
Dec
バブアーの思い出話 〜ショップスタッフの徒然日記〜
いつも忙しくさせてもらっています
なんばパークス店の今井です。
先にプロモーションですが、
バブアーのモアバリエーションをなんばパークス店にて26日まで開催しております。
シップスで取り扱っているバブアーを集結しまして、
皆さんにご覧いただこうというイベントです。
バブアーが気になる方はぜひお越し下さい。
但しご好評ですでに一部完売したお品もございます。
その際はご容赦ください。

わたしがロンドンに遊びにいったときに
街中の人々のバブアー着用率が高くて驚いたことがあります。
特にポートベローのおじいちゃんの着用率、
高かったな〜〜〜、
お洒落服ではなく雨の多い国の国民服って感じの印象でしたね。

近年人気が上がってきたバブアーですが、
特に今年バブアー人気の勢いが凄いですね。
バブアーといえば服好きの人しか着ないようなマニアックなアイテムだったのに、
そんなイメージがいつしかファッションインフルエンサーの影響からか、
独特のブリティッシュらしいクラシックな雰囲気が見直されて、
男女共に色んな世代の方が買われるようになりました。

バブアーと言えばオイルドの生地が有名ですが、
やはりデメリットもある特殊な生地であることを
ご理解いただいてからお求めいただかないといけません。

なんせゴアテックスもない100年以上昔に考えられた生地で
雨が多い国のイギリス人がコットンの生地におオイルを染み込ますことで
防水効果のある服を作ったとういものですから、

なんでも機能素材に置き換わった今の時代からすると
とんでもなくローテクな服なんですよね。
そして今でこそオイルの臭いってそんなに感じないんですが、

ひと昔前のバブアーは臭かったんですよね 笑
臭いでだめって方もいらっしゃいましたから。
あとほんとにちゃんとケアーしないとカビ臭くなります。

本国イギリスは乾燥した気候ですからそこまで臭うことは無いのかもしれませんが、
日本の湿度の高さはオイルドの生地に不向きであることは否めません。
裏側は密室状態になりますから汗などで湿った状態で保管するとしっかりカビます。
オイル自体も湿度の高い環境だとカビてきます。

昔の話ですがバブアーをよく着る先輩のバブアーがとてもカビ臭くて、
店のバックルーム内がカビ臭で凄かった、、、
なんて思い出も 笑

なので裏地はしっかりと殺菌消臭剤などを使用して
風通しの良いところで乾燥させてから収納しないといけません。

「それならクリーニングに出せばいいじゃないか!」
って話なんですが、
基本的にオイルドのバブアーは洗濯もクリーニングもできません。
それを知らずに買うと大変なことになります。
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25年ほど昔、
わたしがデアモール大阪で勤務していた時の話ですが、
ある日お客さまが今まで見たこともないよもぎ色のバブアーを持って来られました。
ん??
って思ったんですが、

お客様が
「クリーニングに出したらこんな感じで上がってきたんですよ、、、」
「どーしたらいいですかね、、、」
と困った顔で相談に来られました。

そのバブアーはクリーニングに出したことで完全にオイルが抜けた状態でした。
オイル抜けるとこんな色になるのかと、
失礼ですがお客さまの前でマジマジ見てしましました 笑

「一旦預かりましてメーカーと相談しますね」
となりこのことをメーカーに相談すると
オイル缶を送るので
このオイル缶を湯煎しながら溶かしてドライヤーを当てながら
ゆっくりとスポンジにオイルを染みこまして塗り込んで下さい。
と言われました。

当時は店舗で出来ることは店舗で対応していたので、
お預かりしたバブアーをわたしと同僚の二人がかりで
オイル塗りをすることに。
初めはバックルームでやってたんですが、
臭いがやば過ぎて地下の倉庫前で作業することにしました。

もちろんど素人ですから湯煎にも手こずって、
ドライヤー当てながらもなかなかオイルが伸びないんですね。。。
とにかく臭い 笑

後々考えれば恐らくクリーニングしたことで
コットンが目詰まりして生地の中に入り込まなかったんですね。
しかし何時間格闘したことか、、、
良くも悪くもいい経験をさせていただきました。
でもお客さまには大変よろこんでもらいましたよ。

今はメーカー推奨の「ラバレックス」社というバブアーとマッキントッシュを専門に扱う
クリーニング業者がありますので、
そちらで特殊な水洗いクリーニングをしてオイルを入れてくれるサービスがありますので
そちらをご利用下さい。
というか日本国内で唯一のケアー会社です。

金額はコートで¥11,000税込からと決して安くはないですが綺麗にしてくれるようです。
あとリペアなどの修理も対応してもらえますよ。
こちらはシップスでは提携しておりませんので
ネット検索の上で直接お問い合わせ下さい。

でも本来のオイルドジャケットのバブアーの良さは育てる喜び。
もちろん好きな方はご自身でわたしのようにオイル入れを楽しむことも出来ます。
自分の子供を育てるように愛情を持って優しく丁寧に。
そして使い込むことで
いい味が出てくるんですよね。
自分だけのバブアー、
いいじゃないですか。
だだネグレクトすると悪臭漂う不良息子になりますのでご注意を。

あ、
あともしご自身でオイル入れをされるなら
春から夏の間にすることをおすすめします。
なぜならばオイルが生地に馴染むまで3ヶ月を要するそうです。
そうすることでベタつきも少しましになるとか。

先日、
混み合った電車の中でバブアーのオイルドコートを裏返して畳み持つ男性を見ました。
「おおっ!格好いいな、、、」
って思いました。

バブアーのオイルは車や電車の座席、
他の人の衣服にも擦れることで移る場合があります。

そこは英国紳士のようにスマートマナーが格好良いですね。
そこにわたしはこの方のバブアー愛を見ました。
素敵な所作ですね。

はい、
長らくお付き合いありがとうございました。
売り手としてもちゃんとデメリットを説明したうえで販売するのが筋だと思いましたので
今回はこのような形でバブアーのお話をさせていただいた次第です。
ではまたのご来店お待ちしております。
ありがとうございました。

なんばパークス店 今井