SHIPS なんばパークス店
2024
22
Nov
オーダーの紺ブレで文化を纏う 〜ベレ兄さんの徒然日記〜
いつも忙しくさせてもらっています、
なんばパークス店の今井です。
9月のオーダーフェアで作ったわたしのジャケットが上がってきましたので、
毎度のお披露目会でございます。
そして今回は「勝手にSHIPS 50周年記念モデルを作成する!」
という企画でSHIPSと言えばの紺ブレをこの生地でオーダーしました。
「WILLIAM HALSTEAD」の目付560gというコートぐらいのヘビーウェイトな生地。

そして出来上がったのがこちら。
じゃじゃじゃん!!

おおーーっっ

思わず嬉しくて、
入荷早々即試着!
イメージ通りの仕上がりに大満足!!
実際着用してみてヘビーウェイトな生地なのに、
思ったよりもぜんぜん重さを感じない。

それは身体の線に沿うように作られた職人技の賜物。
改めまして簡単に「紺ブレ」とは。
アメリカントラッドを象徴するアイテムですが、
元々は英国由来のアイテムで、
諸説ありますが、
イギリス海軍の軍艦ブレザー号の船員がネイビーブルーのジャケットに真鍮のボタンが付いた物を着たことがきっかけだったり、
イギリスのケンブリッジ大学のボート部の学生がユニフォームとして着用したジャケットの色が起源とされていたり、
すいません、、、
有名な話なのでちと端折りましたが、
それが20世紀初め頃から1920年代にかけてアメリカに伝わり、
60年〜70年代にアイビーリーガー達によってファッションブレザーとして広まり、
この流れが今の紺ブレの地位を確立したと言われています。
この二つの起源、
偶然とは言えわたしとしては共に船(SHIPS)由来というところも興味深いですね。
70年代アメリカの衣料品と文化を日本に紹介するところから始まったSHIPS、
紺ブレは前身の「ミウラ&サンズ」時代から脈々と受け継がれながら、
時を経て未だに店頭には必ず並んでいる、
そんなSHIPSを代表するアイテムでもあります。
アメリカントラッドのブレザーにはディテールに決まり事があり、
前のブログでもお話しましたが、
今回からその決まり事「IVY」仕様のディテールを選択していただけるようになったんですね。
やっぱりアメリカンスタイルがベースとなるSHIPSのオーダーなら、
これが選べなきゃ!ってことで。
ということで今回のわたしの紺ブレもこの仕様にしております。
まずはパッチ&フラップ。

アメリカの人はアウトポケットに物を入れるので、
それが落ちないようにというのが理由でしょうか?
と、
勝手に推測しました。
箱ポケット。

今回は胸ポケットをパッチポケットにはしなかったのでこちらのディテールを選択。
通常既製品やオーダーではイタリア式のバルカポケット仕様で、
口が船底のように軽くカーブを描くように、
身体に沿ってより立体的に見えるよう湾曲しているのがデフォルトですが、
アメリカ人は合理主義なんで見た目より生産性を考えると真っ直ぐになるんでしょうね。
今回からこちらの様にアメリカンなディテールでもある直線の箱ポケットが選択出来るようになりました。
次にこれが一番アメリカンなディテールとなるフックベント。

鍵の様にL字になっています。
これは合理主義のアメリカ人が裂けやすいベントを補強したことによるディテール。
きっとエレガントでスマートさを求めるイタリア人からするとこの発想はないでしょうね。
でもアメリカに夢を描く日本人にとっては憧れのディテール。

続いて袖口のボタン2つ。

こちら今回のわたし的こだわりポイント!
遊び心で敢えてボタンを3つの本開き仕様でオーダーしまして、
その真ん中を開けることでアメリカンな仕様に。

スタイルとしてIVYジャケットの袖口はこちら「Southwick」のジャケットのように2つ。
これはかつて英国で王様を護衛する近衛騎兵が地域ごとにボタンの数が異なっていたらしく、
3、4、5個などはあっても英国に2個は存在しなかったので、
アメリカのブレザーでは差別化で2個になったという説があります。
あとは6ミリステッチや段返り3つボタンにナチュラルショルダーのお決まり事は踏襲しながらも、
本来IVYジャケットのシルエットはボックスシルエットですが、
今のジャケットらしく程よくウエストの絞りを入れました。
そして本来ナローラペルも味付けで今の気分の大きめに変更。
そしてSHIPSらしくも「わたし」らしい、
そんな紺ブレが完成したのでした。
そしてこれ!

そうです、
勝手にSHIPS50周年記念モデル!! 笑

しっかりと記念モデルらしく刺繍が入っております。

やっぱりオーダーって楽しい。
では最後にこの勝手にSHIPS50周年記念モデルのコーディネートをお披露目します。
IVY風アメリカンジャケット仕立てですが、
敢えて今日はフレンチなブレザーの着こなしにチャレンジしました。
こちら。

WOMENSで取り扱いのある「Manipuri」のエレガントなスカーフを巻き、
フランスのブランド「BERNARD ZINS」のワイドシルエットのパンツを合わせて。

中にオーダーで作ったコーデュロイのベストと、

同じオーダーフェア中に作ったシャンブレーのシャツを合わせて。
ヴィンテージのバッジもフランスのものでスカーフに合わせました。

シャンブレーシャツなのにオーダーらしくネーム刺繍が入ってるところが粋なんですよね〜♪

318-24-0361
¥15,400 (inc. tax)
シャツのレギュラーカラーとスカーフの組み合わせの雰囲気がイメージ通りの仕上がりで大満足。

そして見えないポイントですが、
こちらもフランス製のソックス「ROYALTIES」でワンコの柄!
かわいいです。

118-04-0076
¥4,950(inc. tax)
「polpetta」のオーダー靴もスエードがいい感じ。

楽しいな 笑
洋服って、
それぞれ国ごとに歴史と文化があって、
そういったものが進化して今日的解釈も加わり、
今のスタイルが出来上がっていると思うんですね。
そのスタイルを色んな角度からミックスして楽しむってのがお洒落かなと。
それが今回のコーディネート。
紺ブレで文化を纏う。
先日、
上本町にある立ち呑みフレンチという、
一風変わったお店に顧客さんが連れて行ってくれました。
ここのお料理どれも美味しかったんですが、
特に豆腐好きのわたしが感動したのが、
塩漬けした塩豆腐に、
オリーブを刻んだものを乗せて、
オリーブオイルとトマトソースで食べる独創的で上品な一品が忘れられませんでした。
更にタバスコをかけるとまた美味しい。
白ワインがとても合いました。

フレンチの枠を超えて、
色んなものがミックスされるとまた新しい美味しさ。
このお料理を食べたとき、
ファッションと通じるところがあるなーと思ったんですね。
軸として歴史と文化のテイストがあって、
でも選ぶ合わせるのミックスでさらにお洒落になる。
これがファッションの醍醐味かな、
と。
食もファッションも同じ。
紺ブレというベーシックアイテムを使って色んなマリアージュを楽しみたいと思います。
ではまたのご来店お待ちしております。
ありがとうございました。

なんばパークス店 ベレ兄