SHIPS 立川店
【ボタンダウンシャツ】 ~男のワードローブ VOL.2~
夏という季節は、洋服が難しくなる季節。
冬は重ね着をすれば暖かくなるけれど、 夏は全裸になったって暑いものは暑いし、 もちろん家を出たら全裸になんかなれない。 (家の中でも風呂以外は全裸にはならないですけど・・・)
汗をかくし、雨はふるし、カビは生えやすくなるし、 服が傷みやすくなるので、取り扱いにも気を使う。
ただし、夏場の洗濯だけは非常に気持ちが良い。 洗ったシャツが、さんさんと降り注ぐ太陽光に照らされながら、
ベランダで風にはためいているのを見ると、
なんだかそれを眺めながらベランダでビールでも飲みたくなる。 ・・・ような気がしないでもない。
ということで、今回のお題はシャツです。
しかも、この時期にあえての「ボタンダウン・シャツ」。
とは言いつつ、ボタンダウンシャツについて、いまさらここで語る必要もないでしょう。 ボタンダウンシャツについては、あまりにも多くのことがあちこちで語られているし、 その良さは多くの人が認めているところ。
なので、今回はあえてウンチク抜きでのお話を。 しばし、お付き合いください。
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ボタンダウンシャツ、という言葉の響きに、 宿命的に惹かれた時期がある。
僕の中では、 「ビーチ・サンダル」や「バーミューダ・ショーツ」、「コーラ」、「ビール」 といった言葉たちと同列で、 なぜかボタンダウンシャツ、と聞くと夏を連想してしまうのだ。
その理由は、こういうことだ。
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女の子の肌のぬくもり、
古いロックンロール、
洗濯したばかりのボタンダウン・シャツ、
プールの更衣室で喫った煙草の匂い、
微かな予感、
みんないつ果てるともない甘い夏の夢だった。
「風の歌を聴け」より 1982年 村上春樹・著
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大学時代に目にしたこの文章が、
今でもずっと脳裏に灼きついていて、
それ以来、夏が近づくとこのフレーズを思い出して、
おもむろにボタンダウン・シャツを着たり、買いたくなってしまう衝動に駆られるのだ。
そうしてたまりにたまったボタンダウン・シャツ。
ストライプやらチェックやらバティック柄やら
白無地・紺無地・サックスブルーの無地・ベージュの無地。
長袖も半袖も。
僕のクローゼットの中の棚は、ふた山くらいはボタンダウン・シャツで埋まっている。
実際のところ、現代日本の夏はあまりにも暑すぎて、
オックスフォード地のボタンダウン・シャツなんか着てしまったら、
あっという間に汗だくになってしまうのだけれど、それでも。
とまぁ、明かしてしまえば単純といえば単純な理由なわけです。
ふと目にした映画のワン・シーン。
大好きな音楽のアルバム・ジャケット。
小説や、エッセイの一節。
みなさんにも、ふと洋服のことを考えて、思わず買いに出かけてしまう、
そんな単純なきっかけがあることと思います。
暑いから、寒いから、必要だから、
なんていう理由だけではなくて、
こんなきっかけで服を買ってしまう。
そんな習性も、男ならではじゃないかと。
同意していただける男性のみなさん、
店頭にてお待ちしております。
金子でした。

